恋をすることで磨きがかかる

私は先生がどんな占いをされるのか、鑑定してもらえる日まで、ぜんぜん知りませんでした。一度は観てもらう決意ができたものの、いったいどんな事を言われるのだろう。

そのことを考えると、鑑定の日までゆらゆらと揺れていました。
そして当日。 少し緊張しながら、先生の所に伺いました。先生は、大阪市内に鑑定所をもっておられて、そこでいろいろと観ておられました。私の前に、鑑定されている方がいたので、待合室で待っていましたが、

まだ気持ちはふらふらとした状態でした。
しばらく待っていると、鑑定されていた方が出てきて、その後に先生が現れました。その先生の服装の派手さにちょっと驚きました。この前お会いしたときは、もっと普通だったのですが、ピンクの花柄のワンピースが非常に目立ちます。そして、首からのかなり大きなネックレスが何連も、歩くたびにじゃらじゃらと音をたてていました。

あれだけじゃらじゃらしていて、肩こらないのかなと思いながら、呼ばれたので部屋に入りました。
感じとしては、細木数子先生を思い浮かべていただけたらいいんですが、

占い師の先生って、みんな派手なの？
なんてことを思いながら、予め占いに必要だと言われていた、名前と生年月日を書いた紙を渡しました。

それを観ながら、
「今日は恋愛のことね」

「はい。どうしたら、うまくいくんでしょうか？」
「あなた、華やかよね」

何かいろいろされるのかと思ってましたが、もう始まっていたんですね。
「そうなんでしょうか？」

「思い当たるふしない？」
そう言われて、ちょっと考えていたのですが、

「いつも輝く存在でいたい気持ちから、負けず嫌いになってるわね」
と、先生から先に言われてしまいました。

「負けず嫌いですか」
「どんな時でも、一番目立たないと気がすまないでしょ。合コンでもパーティーでも。気がついたら周りは男性ばかり」

「は、はい」
「どこに行っても人気者だから、男も放ってはおかないわよね。そしてそのまま一緒になっちゃうこと多い」 確かにそうだったんです。前の彼氏とも、その席からでした。

観られてたのかしら？　と、ちょっと怖くなりました。
「そして、別れた理由は、あなたのわがまま。文句ばっかりいいすぎて、振り回しすぎたのね」

「どうして分かるんですか？」