思わず聞いてしまった

先生から話される言葉一つ一つに、
私はかなりショックを受けました。
かっこ悪い話ですけど、全部当たっていたからです。

「言ってもいいの？」
「はい」
「何でもかんでも、手に入れたらあきっぽくなるからよ。知ってしまえば、長続きしないからね」
「……はい」
「相手のいいところ、しっかりと見ていた？　途中から見ていないでしょ」
「見てませんでした」
「そうよね。相手も同じなの」
「どういうことです？」
「類は友を呼ぶって言うでしょ。あなたがそんな感じで付き合ってると、相手も同じようなタイプしか寄ってこないのよ。あなたが軽いタイプに見えてるから」 そんな風に見られていたかもしれないなんて、ショックでした。私はそんなつもりはありませんでした。お付き合いは真剣ですし、いつも最後はこの人って思って付き合っています。ただ、どうしても長続きしなくなるんです。

それが知りたかったことなんですが、先生が言ったことが答えなのでしょうか？
「どうしたらいいんでしょうか？」

「人はね、一瞬一瞬変わるものなの。あなたと一緒にいたいと思ってる気持ちもね。その時の変化をしっかりと見ていないから、続かない相手を選んでしまう。これはあなたの普段の生活からそうなのよ。もっと、しっかりと自分をもつこと」
「そうすれば、変わりますか？」 私の問いに、先生は少し黙ってしまいました。

そして、
「あなた、私の鑑定に来られたけど、どんな鑑定をするかを聞いた？」
「いえ、聞いてなかったと思います」
「私を紹介してくれた人には？」
「いえ、聞いてないです」
「どうして、聞かなかったの？　信用したから？」
「それは……知り合いの言葉を信用したからで……」
「じゃあ、何があっても信用できるのね？」
「え？」
「あなたは、知り合いの子の意見が正しいと思ったら、どんなことでも信用する人なのね」
「それは、その時によりますけど」
先生は、私がいろいろと揺れていたことを言い当てました。